World Football ~リバプールサポの綴る欧州サッカー情報~

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マージーサイドダービーはドロー決着。ロジャーズ解任も報じられる

グディソンパークでのマージーサイドダービーが終了しました。
結果は41分にCKからイングスが先制のゴールを決めるものの46分にエムレ・ジャンのクリアミスからルカクに叩き込まれて1-1で前半終了し、そのまま後半も得点なく試合を終えました。
この試合の前にはボスニアの新聞で結果にかかわらずロジャーズ解任・クロップ就任という報道があがるなど、勝っても解任の危機に立たされているロジャーズにとって、絶対負けられない一戦でした。
前半を振り返ります。
試合開始直後はマージーサイドダービーらしい、攻守交替が非常に早く、またプレーも激しい試合の入りでした。
リバプールスターリッジを中心にチャンスを演出し押す展開でのスタートでしたが、決めきれず。
一方でエバートンもFKからネイスミスがフリーでゴール正面からヘディングするもミニョレの神セーブに合うなど決めきれない。この試合まで公式戦7試合連続失点と守備に不安のあるリバプールでしたが、この試合でも中盤だけでなくFKでも相手をフリーにする場面があるなど前半ではこれまでの改善があまり見られませんでした。




試合は20分ごろのシュクルテルの手の負傷による治療での一時中断で激しい流れが少しペースダウンしていきました。このあたりからリバプールは中盤を飛ばして早めにスターリッジとイングスに預ける攻撃にシフト。ハイボールで中盤飛ばす場面もありましたが、両者ともに競り合いに勝てずにはじき返される場面が多々見られました。速攻ではミルナーが持ち前の運動量を活かして参加するも、全体的にはあがりが遅い印象で、もう少しチーム全体での押し上げ、中盤の攻守の切り替えをもっと意識する必要性を感じます。エバートンルカクに合わせるだけでなく前線でも細かくパスを繋ぎながらサイド攻撃もしくはリバプールのプレスの甘い中央からでも攻撃を展開。リバプールにしてほしい攻撃をエヴァートンが展開しているような印象を受けました。
 守備の面では、リバプールは3バック採用時に中盤中央のスペースを開けてしまい、そこの選手をフリーにするというここまでの問題点が改善できておらず、失点もそのフリーになった中央を経由してのサイドチェンジからやられてしまいました。エヴァートンがパス回しをして飛び込む形でそのスペースを使われるだけでなく、ルカクが前線から間のスペースに降りて来るような形でもそこで簡単にボールキープされてしまい苦しい状況に陥っていました。

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後半はリバプールはチャンスらしいチャンスを作り出せない展開となりました。
前半終了間際にクリアミスから同点ゴールを奪われてしまっていたものの、後半からは守備陣が安定しました。単調な攻撃でチャンスを作り出せず、反対にエバートンの攻撃が鋭さを増す中で危ない場面も多く作られたものの、シュクルテルを中心にうまく連携して守備できていました。前半に比べるとDFラインの一列前のスペースを使われる場面も減り、サイドのテクニックのあるデウロフェウにはしっかりと人数をかけて対応するなど冷静さも見えました。両サイドは攻撃意識の高い2人のウイングバックということもあり、その裏のスペースを使われることも増えてきたものの、シュクルテルが中でルカクを抑えるなど今季これまでにない安定感を見せたのではないでしょうか。
しかしやはり攻撃の面では不満の多い試合でした。守備陣がボールを奪ってもその後の上がりの速さに欠けていたり、前線で競り勝てないにも関わらずロングボールを蹴るといった場面が多く、”奪ってからその後”に問題があるように見えました。スターリッジコウチーニョが消えるといった場面も多かったのですが、両者ともロングボールを収める選手でもないので、今日の内容では消える時間が多かったのも仕方ないともいえるのではないでしょうか。

結果が引き分けに終わり、フロントのロジャーズ評が気になるとことでありますが、今節で解任も大いに可能性のある話だと思います。攻撃面では崩しの場面で改善は見られず、守備では改善は見えたものの全体的に見れば主力を多数欠くエヴァートンに押される展開でした。昨シーズンの結果でも耐え、今シーズンもここまでこの試合で8試合連続失点で悪い試合内容でここまで不調に終わっており、これ以上フロントがロジャーズで耐えてもチームが上向く絵が見えてきません。
個人的に一番ロジャーズ解任が見えたのは、リバプールに見せてほしい攻撃をエヴァートンが見せていたこと。前線に競り合いに強い選手がいながらも、ただロングボールを蹴りこむだけでなくショートパスでしっかり前線まで繋ぎ、状況に応じてロングで競らせセカンドボールを奪って攻撃に繋げる。エヴァートンは終始こういった攻撃を見せていたと思う。一方でロジャーズは後半終盤まで交代枠も使わずに攻撃でアクセントも加えられず、スターリッジ依存の高さを見せつけた形になりました。
攻撃を改善しようと思えば守備が荒れ、守備を改善しようと思えば攻撃が荒れる。この悪循環に陥ってるのではと感じます。ロジャーズはもう4シーズン目。耐える時期は終わりました。少しでも早くチャンピオンズリーグ復帰を目指すために、リーグ制覇を目指すために、これ以上のロジャーズ続投は”ベスト”でもなければ”ベター”ですらないと思います。